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第63話 毒を落とす女たち

Auteur: marimo
last update Date de publication: 2026-07-20 20:52:35

レッスン場に顔を出した夕季は、扉を開けた瞬間、思わず足を止めた。

室内にはまだ人の気配が残っている。床には汗の匂いがわずかに漂い、鏡には踊ったばかりの身体の余韻が映っているようだった。

そして——そこに、結城美緒と相沢玲奈が一緒に居るのを見た。

一瞬、胸がざわつく。

どうしてこの二人が並んでいるのか、直感的に嫌な予感がした。

すると、結城美緒が夕季に気付いて手を振る。まるで旧友にでも会ったかのような、親しげな笑顔だった。

「美緒ちゃん、久しぶり……元気だった?」

夕季はそう言いながらも、無意識に玲奈の顔を覗き見た。

玲奈はタオルで首元の汗を拭きながら、ゆっくりと夕季へ視線を向ける。その目は、まるで品定めでもするかのように冷たかった。

「あなた……まだ居たの?もう辞めてくれたかと思ってたわ」

その一言で、夕季の胸の奥に、あの日の記憶が蘇る。

オーディションの後の廊下——突然、頬を殴られた衝撃。周囲のざわめき。何が起きたのか理解できず、ただ立ち尽くした自分。

右頬が、じん、と疼いた気がした。

「相沢さんも、レッスンだったんですか?お久しぶりです」

夕季は違和感を押し込み、何もなかったよう
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